現在、私がお話するすべての企業が同じ問いに答えようとしています。
「管理ができないというリスクを超えない中で、AIを活用していかに迅速にビジネスを前進させるか?」という問いです。
これは単なるセキュリティ上の問題ではありません。リーダーシップの課題です。
私はCEOとして開発、運用、顧客サポート、競争戦略など、あらゆる場面でAIを活用すべきだと考えています。同時に、信頼性、稼働率、評判、そしてイノベーションが制御能力を上回らないよう責任を負っています。
CISOやCIOが、AI導入を推進させるということと、それがもたらすリスクの責任追及の狭間で「板挟み状態」と訴える声を耳にします。私はこれを抵抗とは捉えません。現実的な認識だと理解しています。
AIを活用する企業がリスクの物理法則を変える
最新のプレスリリースで、、現代のネットワークは「サイバーリスクの物理法則を変えた」と申し上げました。これは誇張ではなく、現実に感じていることです。
今日の企業は常に稼働し、常につながり、常に変化しています。AIシステム、エージェント、自動化技術がマシンスピードで意思決定を行い、データを移動させています。非人間のアイデンティティは今や人を上回る数に達しています。そしてユーザー、ワークロード、サービス、AIがネットワークを通じて結びついています。
この時点で、ネットワークは単なるインフラではなくなります。それはビジネスの神経系となり、アイデンティティが活動し、データが移動する場となるのです。
やっかいなのは、攻撃者も同様にこの変化を理解しています。攻撃者は「侵入」する必要がありません。「ログイン」するのです。信頼を悪用し、溶け込むのです。そしてAIを悪用することで、従来のセキュリティプロセスが追いつけない速度で行動するのです。
攻撃者がスマートになったのではなく、スピードが加速した
攻撃者が突然今までより賢くなったとは思いません。しかし、確実に速くなっています。
AIは摩擦を排除します。偵察を自動化し、ラテラルムーブメントを加速させ、タイムラインを圧縮します。かつて数日かかっていたことが、今では数分で完了します。
一方、ほとんどのセキュリティ担当は依然として、設計上遅延を生むツールで作業しています。
- 環境の一部分しか把握できないツール
- 連携が不十分なシグナル
- 最悪のタイミングで実施される手動のトリアージと調査
そのため、多くのチームは正しい対策を講じていても、防御ではなく対応に追われていると感じています。
CISOにとって対応が困難な理由 (と私が共感する理由)
今日この職務で最も困難なのは技術面ではありません。説明責任です。取締役会や経営陣は、次のような問いに明確な回答を求めています。
- 現在、安全性は向上しているのか?
- どこに脆弱性があるのか?
- 投資した対策は実際に機能しているのか?
これらは正当な疑問です。しかし可視性が断片化し、シグナルがノイズに埋もれている状況では、優れたセキュリティ担当でさえ、断片的な情報と仮定を手作業で繋ぎ合わせた答えしか出せません。これはリーダーシップの欠如ではなく、モデルの限界なのです。
エンドポイントセキュリティは今も重要だが、それだけでは不十分である
エンドポイントツールは重要な役割を果たします。当社も活用し、また多くのお客様も導入しています。
しかしエンドポイントは、企業全体を網羅していません。システムを跨いだアイデンティティの挙動は可視化されなく、サービス間通信、SaaS特権の悪用、AIエージェントの環境横断的な動作も把握できません。そして攻撃者がどのように対象間を移動するかを明らかにできないのです。これはまさに現代の攻撃が潜む領域です。単一の視点に依存することは死角を生み、その死角こそが信頼を損なう原因となります。
「予防的」と「先制的」な考え方
当社のプレスリリースでは、予防的セキュリティと先制的な防御について触れています。シンプルに説明すると次のようになります。
予防的セキュリティとは、悪事が発生する前にリスクを低減することです。アイデンティティ、信頼関係、自動化経路がどこでリスクを生むかを把握し、まだ時間的余裕があるうちに早期に修正することです。
先制的な防御とは、攻撃が拡散した後ではなく、発生した瞬間に阻止することです。防御側が迅速に答えを得て状況を把握し、行動するまでの遅延を排除することです。
どちらも本質的には同じことを意味します。誰のためにも速度を落とさない環境において、セキュリティチームに時間と明確さを取り戻すことです。
Vectra AIの役割
私たちは皆を守るスーパーヒーロー的立場にいるとは考えていません。共同防衛者であると自覚しています。
私たちの使命は、ネットワーク、ID、クラウド、SaaS、そしてAIエージェントに至るまで、企業全体で実際に何が起きているかを把握できるよう支援し、リアルタイムで重要なことを示す明確な振る舞いベースのシグナルを可視化することです。より多くのアラートでも、ただ単に見栄えの良いダッシュボードでもありません。
ただ正確で信頼できる答えを、より速くお届けすることです。
なぜなら、リーダーが明確な認識を持てば、意思決定は容易になります。取締役会との会議はより地に足がついたものになります。そしてセキュリティは、ビジネスを常に遅らせる存在ではなく、ビジネスを可能にする存在となるのです。
最後に
AIはもはや導入しないという手はありません。
これが新たな運営モデルなのです。成功する企業は、リスクを回避する企業ではなく、リスクを十分に理解し対応できる自信を持って進む企業です。それが、私がCEOとして目指すバランスです。そしてこれはCISO、CIO、取締役会の方が日々模索されているのと同じバランスなのです。この緊張感を持つことは間違ったことではありません。
これは、貴社だけの問題ではありません。目標は完璧さを追求することではありません。AIのスピードで動く世界のために築かれる強靭さが求められるのです。
